横井 智
Satoshi
Yokoi
エムスリー株式会社
横井 智
エムスリー株式会社 取締役
  • 1997年 東京大学思想文化学科卒業
  • 2003年 ソネット・エムスリー(現エムスリー)入社
  • 2009年ソネット・エムスリー(現エムスリー)取締役就任
増田 英宣
Hidenobu
Masuda
エムスリーマーケティング株式会社
増田 英宣
エムスリーマーケティング株式会社 代表取締役
  • 1975年 静岡県生まれ
  • 1998年 マッキンゼー・アンド・カンパニー入社
  • 2002年 株式会社リクルート
    (現・株式 会社リクルートホールディングス)入社
  • 2012年 エムスリー株式会社入社
  • 2015年 エムスリーマーケティング代表 取締役就任

対談動画

  • 0:00~ エムスリーマーケティング誕生のキッカケ
  • 02:32~ エムスリーから生まれる、新たなMR
  • 04:01~ メディカルマーケターとしての働き方
  • 07:46~ エムスリーグループで広がる、キャリアパス

エムスリーマーケティング誕生のキッカケ

横井
まず初めに増田さんからエムスリーマーケティング設立の経緯についてお話ししていただけますか。
増田
はい、現在MRさんを取り巻く環境というのは非常に大きく変わってきているかなと思っています。接待は当然今出来なくなっていますし、訪問規制が各病院で始まっていてMRさんとドクターがコミュニケーションできないという状況になっているのかなと思います。そうなりますと本来MRさんが行べき業務ができないことになります。
横井
そうですね
増田
こういった状況をエムスリーグループの各種ツールであるだとか、会員基盤などを活用しながら変えていき、新しい「MR像」ができるのではないのかなと思ったのがエムスリーマーケティングを設立したキッカケでした。
横井
なるほど、確かにいま増田さんがおっしゃったようにエムスリーでないとできないことがかなりあるかなと私も思っています。まずひとつは、まさにおっしゃったように25万人の会員基盤を活かし、医療現場の方々と医療従事者を結ぶことができます。コミュニケーションをするとき、MRさんから発したメッセージというものが医療従事者に届かないと意味がないですけれども、私どもは今まで15年間かけて、日本で一番、医師・医療従事者が話を聞いてくれる場所、ポータルサイトを作りました。ここを活用できるというのがエムスリーグループならではの大きなメリットかなと思っています。
今日ではすでにたくさんのCSOが事業を展開していますが、エムスリーマーケティングは他のCSOとどういったところが違うのかお話ししていただけますか。
増田
横井さん増田さん対談風景 他社様の場合、従来型MRさんの活動を比較的ローコストで提供するというようなビジネスモデルになっていますが、エムスリーマーケティングの場合、先ほど申し上げましたエムスリーグループの会員基盤や各種のツールを使い、新しい働き方をMRさんにしていただくことができます。それを通して、付加価値の高いサービスを製薬会社に提供することを考えています。そこが大きな違いと考えています。

エムスリーから生まれる、新たなMR

増田
ではメディカルマーケターという職種が生まれた背景について教えていただけますでしょうか。
横井
MRさんが製薬企業のプロダクトマネージャーの方とお話をしている中で「MRの在り方が変わってきている」という話がよく話題になっていました。ただ単に医薬品の営業という立場ではなく、今後はドクターから見たときに医療行為の中でパートナーとして尊重されるような立ち位置にいないと、今後生き残っていけないのではないかという考えが現場でも生まれ始めていたわけですね。そのような状況下で、いわゆるマーケッターとして、届けるべき情報を計画立てて、筋道通りに伝えていく役割が必要ではないかと考えました。このような思いを込め「メディカルマーケター」という、あり方を提唱させていただいています。当然、いまこの世の中でマーケティングを考えていく上で、やはり対面型の情報提供だけではなくインターネットを通じた情報提供というものを必ずセットで考えていかないと、マーケティングが成立しません。ここでエムスリーとして、活かせる強みがあるのではないかと考えていました。
横井さん増田さん対談風景

メディカルマーケターとしての働き方

横井
いま私からメディカルマーケターというもののコンセプトの話をさせていただきましたが、増田さんから具体的にどのように働き方が変わっていくか、このあたりをお話しいただけますか。
増田
やはり、リアルとインターネットというかeを活用することで、様々な活動内容がかなり効率的になるのではないかと思っています。例えば、Webを駆使してディティールをさせていただく時間をネット上で予約する、実際に世の中にある「宿予約システム」みたいな形のものから運用していますが、そこでアポイントメントをとって、そのままインターネット上でディティールをする、またはビデオを使ってディティールをしていけば、待ち時間はかなり削減されると思います。
その延長線上には、少ない人数で全国のドクター、1,000人とか2,000人とか、今まででは考えられなかったような人数のドクターを担当させていただいて、必要な情報を届けるというようなことが可能になってくるのではないかと思います。そうなると時短や在宅の勤務も可能になると思っています。また、育児中の女性などが、MRとして働くといった場にもなりえるのではと考えています。
横井
今まで「メディカルマーケターに込めた思い」をお話しいただきましたが、実際にプロジェクトを運営してみてどんなことが起こっていますか。
増田
いくつかのパイロットプロジェクトを進めている中で、色々なことがわかってきました、例えばドクターにネットを通じてディテーリングをさせてくださいとお願いをすると、リアルとインターネット、電話でのディテーリングを比較した場合、その割合はだいたい5対5くらいになります。この傾向は複数のプロジェクトで同じように見られました。そういったインターネットの活用というのは都市部だけではないかという声が過去ありましたが、地方でも既に同じような傾向が見られています。我々が思っていた以上にITツールをドクターも活用していこうという動きが強まっているのではないかなと思いました。
それからインターネット上でのディテールを行うと、一回あたり20分から30分くらいのディテールが出来ています。そのうち3分の2程度は薬剤そのもののお話をさせていただくということが可能になっています。これまでのように、何時間もドクター待って、実際お話しできたのが数分というような非効率を解消した、効果的なディテーリングができるということがわかってまいりました。
横井
そうですね、増田さんがおっしゃたような話を私もドクターの立場からいろいろ聞くことがあります。実際にm3.com上でMRさんとコミュニケーション、またメディカルマーケターとコミュニケーションしたドクターにアンケートをしましたが、半分以上のドクターが非常に有益であると回答しています。例えば会話が非常にスムーズに進むようになったとか、メディカルマーケターの方から質の高い話が聞けるようになったという声を頂いています。

エムスリーグループで広がる、キャリアパス

横井
今この動画をご覧になっている方の中にで、エムスリーマーケティングでのキャリアを考えている方からすると、どんな「キャリアパス」があるかと、非常に興味があると思いますが、そこをお話しいただけますか。
増田
キャリアパスとしては大きく3つあるかと思っています。ひとつはメディカルマーケターを束ねるプロジェクトマネージャーというパスだと思っています。これを我々eプロマネとかePMとかそんな呼び方をしていますが、新人や若手のメディカルマーケターを指導したり、クライアントとの調整、最終的にはそのプロジェクトを成功に導いていただくなどの重要なお仕事をしていただくということが考えられます。
2つめに、エムスリーマーケティングの本社のスタッフ、これが考えられると思います。例えばクライアントとなる製薬会社への営業、それから研修センターの講師、インストラクターですね、こういったことは現場でのプロジェクトを実際に経験することが非常に役に立つお仕事だと思いますが、このようなキャリアアップも考えられます。
最後に、エムスリーグループ内の他社でのご活躍の機会もあると思っております。エムスリーグループは医療×インターネットやITといったことが活用できれば、色々な事業を展開しておりますので、そのような活躍の機会が考えられると思います。
横井
横井さん増田さん対談風景 最後に増田さんがおっしゃった、3つめのエムスリーグループとしてのキャリアはエムスリーとしても非常に推進していきたい部分です。実際にもうすでにエムスリーマーケティングからエムスリーに異動していただいた方もいますが、強力なメンバーとして活躍し始めていますし、これからグループ全体でそのようなキャリア形成の流動的な展開をどんどん推奨していきたいと、私も思います。
増田
今日はありがとうございました。
横井
ありがとうございました。
増田
これからのメディカルマーケターの事業を成功させるようにお互い頑張っていきたいと思います。
横井
そうですね、ぜひお互いに頑張っていきましょう。